2025/12/16
本校には専任、非常勤を合わせると150名を超える教員が在籍しています。
一般企業としては小規模な教員=従業員数かもしれませんが、県内の私立学校としては比較的教員数の多い学校です。
それぞれの先生方にはそれぞれの個性があり、教育に対するさまざまな考え方があります。
ダイバーシティ(多様性)が叫ばれる現代社会においては、個性豊かな先生方がそれぞれの個性を活かし、情熱を持って教育活動にあたることこそが学校の大きな強味となっていくはずです。
それこそが組織としての学校の強味となり、学校文化となっていくはずです。
組織というと、以前から関心を持っていた考え方(言葉)があります。
それが「心理的安全性」です。
先日の教員研修でもテーマとして取り上げ、先生方と情報を共有しました。
そもそも「心理的安全性」が注目されるきっかけとなったのは、1999年にハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授による研究です。
エドモンドソン教授は、「心理的安全性」を「メンバーが発言しても否定や報復を受けないと感じる状態」と定義し、これにより、学習行動や挑戦が促進されることを示しました。
さらに2012年~2015年の間にGoogleが行った「プロジェクト・アリストテレス」の研究結果です。
同プロジェクトで約180チームを分析した結果、高い成果を上げるチームの共通点は「心理的安全性の高さ」であると発表しました。
これが世界的に注目される大きな契機となり、企業や教育現場で一気に注目されるようになりました。
エドモンドソン教授の「学術的な理論」とGoogleの「実際の成功事例」が結びつき、世界的に注目されるようになりました。
数年前に「心理的安全性」について初めて知ってから、さまざまな本や資料で自分なりに勉強してきました。
そして、心理的安全性が高い組織こそが高いパフォーマンスを発揮し、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げる職場」こそが、心理的安全性が高い職場であるというを知りました。
「健全に意見を戦わせる」とは「メンバー同士が率直に意見を言ったり質問をしても、否定されたり、不愉快な思いをすることがない状態」のことです。
そして日常的にこのような状態にある組織=心理的安全性が高い組織こそが、私がめざす「理想の組織」となりました。
エドモンドソン教授の考え方に基づき、慶應義塾大学の前野隆司教授を中心に日本版の研究が行われました。
その結果、日本の組織では次の4つの因子があるときに、心理的安全性が感じられるということが分かってきました。
①話しやすさ=何を言っても大丈夫
②助け合い=困ったときはお互いさま
③挑戦=とりあえずやってみよう
④新奇歓迎=異能、新提案、大歓迎!
特に意識をしなくても、自然にこれら4つが備わっている組織もあるかもしれませんが、組織全体として考えてみるとかなり難しいということに気づきます。
それぞれ性格も考え方も異なる大勢の人間が所属する組織においては、全員がこれらを意識して行動することは極めて難しいとは言わざるを得ません。
ではどのようにして「心理的安全性の高い組織」を創っていくのか。
このことについて、明日もう一度触れてみたいと思います。
BE SHOHEI
明日もいい日になりますように!


