昌平高等学校

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トマト。

2026/1/29

今朝は雲ひとつない、爽やかな気持ちのよい朝になりました。
高校は普通の授業日ですが、付属中学校では合唱コンクールが行われる日です。
どのクラスも普段の練習の成果が発揮できることを祈っています。

今日も朝の校内散歩で見かけたクラスの様子をお伝えしたいと思います。
2年生のあるクラスの教室には、少しユニークな掲示物が貼られています。
以前からとても気になっていたものですが、それがこちらの掲示物です。

「弱音禁止」

「受験に向けて大切な項目」

「受験必負」

難関大学進学を目標とするクラスということもあり、受験や学習に関係する言葉がいくつも掲示されていました。
しかし、その中でも特に目を引いたのがこちらです。

通達 「トマト厳禁!!」

何のことやら全く想像もできません(涙目)
ご丁寧にトマトの写真まで添えられています。

授業中にトマトを食べた生徒がいたのか!?
お弁当にトマトが入っていて、困った生徒がいたのか!?
誰かが持ってきたトマトが腐って、異臭を発していたのか!?

どんなに考えても、しっくりくる答えが全く見つかりません。
このクラスではトマトがなぜ禁止されているのか。
その答えが全く思いつきません。
教室にいた生徒に聞いてみましたが、みんなニヤニヤと笑い顔を浮かべるだけで、その意味をなかなか教えてくれませんでした。
どうしてもその意味が知りたくて、昨日、担任のS先生に尋ねてみました。
すると…この言葉に込めらえれた、極めて重要で理にかなった意味があることを教えてくれました。

ここに書かれた「トマト」とは、受験に関係するある行為を意味しているとのことでした。
その行為とは……

「マークシートの自己採点でミスすること」

だというのです。
マークシートというと、大学入学共通テストは正にマークシート方式で行われる試験です。
共通テストは国公立大学の一次試験としての意味合いを持つとても重要な試験です。
そして、共通テスト後には自己採点をして、自分の合計点数を計算することができます。
その合計点数を算出後、その結果を予備校などのデータリサーチにかけると、各大学の合格可能性を判定してくれます。
そのリサーチの結果を見て、二次試験の出願校を決めたり、出願先を変更したり判断するわけです。
本番の共通テストは高校3年の1月に行われますが、本番の試験形式に慣れるために、本校では1年生のうちからマークシート方式の模擬試験を何回も受験します。
そして、そのたびに自己採点をします。
マークシート方式での解答なので、〇✖がすぐに分かり、合計の点数を出すことも簡単です。
この模擬試験での自己採点が、本番の共通テストの自己採点のリハーサルにもなっているわけです。
この自己採点の結果が間違っていると、出願先を決めるための正確なデータにならないのです。
そのため、試験後の正確な自己採点は極めて重要な意味を持っているのです。

そして、いよいよトマトです。
「自己採点のミスをしないようにする」
「正確に自己採点をする」
ことを意識させるために、「自己採点のミス」を「トマト」というインパクトのある言葉に残し、生徒たちへの刷り込みをしているとのことです。
つまり、「トマト厳禁!!」というのは、「自己採点ミス厳禁!!」と同じ意味だというのです。
このクラスでは「トマト」と聞くと、「自己採点ミス」というのが完全に刷り込まれているのでしょう。
このような言葉の言い換えについて、心理学的にはどう説明するのか興味がありインターネットで調べてみました。
完全に当てはまるものではないかもしれませんが、ようやく次のような説明に行きつきました。

・自己採点ミスを「トマト」と名付ける 
             → 「ラベリング」
・「トマト厳禁」という言葉で意識づける 
            →「スローガン化」
・その言葉を見ると注意力が上がる
            →「プライミング」

(結論)ラベリングを使ったスローガン化で、プライミング効果を狙っている。

「トマト厳禁!」とは、単にインパクトのある言葉というだけでなく、心理学的なアプローチによる注意喚起だったのです。
これは正にS先生による、心理学に基づいた戦略的な取り組みだったのです!
今回のトマト作戦を参考に、私自身も視点を変えたアプローチにも取り組んでいきたいと思います。

BE SHOHEI
視点を変えると、視野が広がる。

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