2026/3/3
~LAST MESSAGE①からつづく
カリフォルア大学の心理学者に、ソニア・リュボミアスキーという方がいらっしゃいます。
ポジティブ心理学の権威の方ですが、そのリュボミアスキー博士によると、幸せを決める要因というのが 3つあると言うんですね。
幸せを決める要因が 3つあると。
まず、 1つは遺伝だというのです。
100%に換算すると、幸せを決める要因の半分=50%は遺伝だというのです。
例えば、物事をプラスに考える性格だったり、楽天的な性格だったりということです。
ただ、性格や感情というものは実態がないものです。
どこにあるかというと、それは脳の情報伝達物質であるセロトリンやノルアドレナリン、ドーパミンが多いか少ないか、そういった物質によって、それぞれの幸せの感じ方や楽観的な考え方の傾向が決まるそうなんです。
では残りの 50%。例えば先ほど言いました結婚しているとか、有名な大学を卒業していることか、一流企業に勤めているとか、あるいは大きな家に住んてるとか。
残りの 50パーセントのうち、そういった「環境」によるものが何パーセントぐらいあると思いますか。
幸せを決める要因として、「環境」による割合は大きいだろうな、おそらくそう考える人が多いのではないでしょうか。
環境や条件が満たされていると、やっぱりそれが満たされていると、幸せを強く実感できるんだろうなと思うかもしれません。
しかし、ソニア博士の研究によると、幸せを決める要因として「環境」が占める割合はわずか 10パーセントだそうです。
「遺伝」が50%、残りの 50%のうち 10%が「環境」によるもの。
では残りの 40%は何が「幸せ」を決める要因になるのでしょうか。
これは「意図的な行動」だそうです。
「意図的な行動」とは具体的には言葉に出してみる。
あるいは考え方を無理やり変え、「幸せだな、幸せだな」と切り替えてみる。
「どうしよう、どうしよう」と言っているのを「大丈夫、大丈夫」と変えてみる。
そうするだけで、幸せを実感することが可能になってくるとのことです。
先ほど私にとっての幸せは、「生きていること」こそが幸せだと言いましたが、私は常に、意図的にそこのことを意識するようにしていますし、具体的な行動として示すようにしています。
皆さんに私自身がそういう姿を見せたいと思って、毎朝、玄関の前で「おはよう!」と声がけをする挨拶を続けてきました。
その「おはよう」を聞いていた人の中には「面倒くせえな」って思った人もいるかもしれないし、毎朝、声が聞けてうれしいな」とか「あ、先生元気だなって」思った方もいるかもしれません。
返事が帰ってくる人もいるし、全く返事が返ってこないこともあります。
まあ、先生も人間ですからね、返事が返ってくると嬉しいなと思います。
でも、別に皆さんが無反応だったとしてもなんてことはありません。
私自身が「おはよう」って言いたくて言っていることなので、したくてしていることなので。
そういう姿を見て、皆さんが何か感じてくれればいいなぁと思って続けていることです。
挨拶をするときには下を向かないように、前を向く、上を向く、そういった姿を皆さんに示すことで、何かを感じて欲しいと思い毎日続けてきました。
先ほど「幸せ」ということについて話をしましたが、一般的に「幸せ」というとどんな言葉を思い浮かべますか。
最初に浮かぶのは、HappyとかHappinessとう言葉だと思います。
私もこれまでずっとHappinessが「幸せ」を表す最適な言葉と思っていました。
しかし、最近改めて「幸せ」について考えてみたときに、Well-beingという言葉に出会いました。
実は 1940年代から WHOによる「健康」の定義でWell-beingとう言葉が使われていたようですが、私は今回初めて意識した言葉でした。
Well-beingとは具体的に言うと、「精神的、身体的、そして社会的に良好な状態」を表す言葉です。
ではどうしたらそのような状態、Well-beingな状態、すなわち幸せな状態にいることができるのか、最後にそのことを皆さんに伝えて終わりにしたいと思います。
先ほども言いましたが、「意図的な行動」が皆さん自身を幸せな状態、Well-beingな状態にしてくれるとお話ししました。
もしかしたら、この中でも第一志望の大学に合格できなかった人もいるかもしれません。
悔しい思いをした人、あるいはもう何年か頑張らなければいけない人もいるかもしれない。
それを残念だとか、悔しいだとか、下を向いてばかりいても結果は変わりません。
そんな時だからこそ、意図的に前を向いて、「幸せだな」「ありがたいな」そういう思いを持ってほしいなと思いいます。
そして、その今の状態をしっかりと感謝するということに変えていくことが、皆さん自身の幸せに続いていくのではないかなと思っています。
では、まず今日からその意図的な行動の一歩を刻んでいきましょう。
それは何かというとですね。
これも全校集会でお話したことがありますが、「当たり前の反対は何か」ということです。
当たり前の反対は「有り難い」です。
当たり前にあることが「有ることが難しい」から、「有り難い」なのです。
そういう意味からすると、皆さんが今この場所にいられること、そしてお父様、お母様、ご家族の皆さんに支えられて 3年間を過ごせたこと、これはとっても「有り難い」ことですよね。
今なお平和が脅かされる、あるいは健康が脅かされる国々もたくさんある中、今こうして皆さんと一緒にいられることがどれほど有難いことなのか。
その有り難いことへの思いを皆さん、お父さま、お母さま、ご家族の皆さんに「ありがとう」と伝えてください。
メールやLINEではなく、離れている人は電話でも構いません。
自分自身の口で、しっかりと「ありがとう」と伝えてください。
それだけで皆さんを支えてきたご家族の皆さんは救われます。
3年間皆さんを応援できて本当によかったと思えるのです。
そうするといろいろなものが報われるのです。
振り返れば大変なこともたくさんあったけれど、すべてが報われるのです。
ぜひ皆さん、照れくささあるかもしれないけれど、「ありがとう」と感謝の言葉を送っていただきたいと思います。
それを皆さんへの最後のメッセージとして贈らせていただきます。
昌平高校に入学してくれて、本当にありがとう!
そして、これからの皆さんの人生に幸多からんことを願って、式辞とさせていただきます。
令和 8年 3月 3日
昌平高等学校
校長 加藤慎也
BE SHOHEI
君たちの未来に乾杯!

