2025/7/17
1学期も残りわずかとなってきました。今日はふり返りの「授業評価アンケート」が行われました。このアンケートはすべての授業をふりかえり、説明の明瞭さや分かりやすさ、理解度などを確認するためのものです。私たち教員にとっては今後の指導の参考となる貴重な資料となります。さらなる教育活動の充実のために、生かしていきたいと思っています。
先日のブログでは、「口ぐせ」について書きました。その後は何かにつけて、「大丈夫、大丈夫」と積極的に口に出すよう心掛けています。実はこの「大丈夫」を口ぐせにしようと意識した裏には、参考とした絵本があります。それがこの絵本です。
いとうひろしさんという絵本作家の方が書かれた「だいじょうぶ だいじょうぶ」というタイトルの絵本です。二人の娘がまだ小さいころ、読み聞かせなどでよくつかっていた絵本です。その当時からとてもよい言葉だな……と思っていたのですが、大人になっても伝わってくるものがあったので、ここに紹介させていただきます。内容は以下のとおりです。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
作・絵 いとうひろし
ぼくが、赤ちゃんに近く、おじいちゃんが、ずっと元気だったころ。
毎日のように、散歩を楽しんでいた。
といっても、家の近くをのんびり歩くだけだが、楽しさに溢れていた。
いろいろなものが、友達のように、おじいちゃんに声をかけていた。
おじいちゃんと歩いていると、ぼくの周りは、魔法にでもかかったみたいで、どんどん広がって行った。
でも、新しい発見や楽しい出合いが増えれば、困ったことや怖いことにも、出合うようになった。
けんちゃんは、ぼくをぶつ。
くみちゃんはぼくとにしかめる。
イヌは歯をむき出す。
自動車は、タイヤをきしませる。
飛行機が空から落ちることがある。
あちこちにばい菌がいる。
いくら勉強をしても、読めそうもない字がある。
これでは、大きくなれないと思える時もある。
大きく成長していくことは、怖さとかいやなこととか、信じられないことが起ったり。大人になる難しさも分かってくる。
でもお爺ちゃんがいつも、助けてくれた。
ぼくの手を握り、おまじないのように、
お爺ちゃんは、「だいじょうぶ だいじょうぶ」とつぶやく。
いじめられたり、仲間外れにされても、
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
同じように、わざとぶつかる車も、落ちる飛行機も、めったにないということも分かってきた。
ころんで怪我をしたり、病気になってもいつかは治るもんだ。
言葉が分からなくても、心が通じることもある。
この世の中、そんなに悪いことばかりではない。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」おじいちゃんとぼくは、その言葉を繰りかえした。
けんちゃんたちともとも、仲良くなったし、イヌに食べられたりはしない。
何度も、転んでけがをしたり、病気になったりした。
車に轢かれることもなかったし、頭に飛行機が落ちることもなかった。
いつかむずかしい本も、読めるようになると思う。
もっともっとたくさんの人や、動物や草や、木に出合えると思う。
ぼくはずいぶん大きくなった。
お爺ちゃんは随分歳を取った。
だから、今度は、ぼくの番だ。
花を持って、病院へお爺ちゃんを見舞いに行った。
お爺ちゃんの手を握り、何度も何度も繰り返した。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
大丈夫だよおじいちゃん。
皆さんにも何かが伝われば幸いです……。