2025/9/30
9月も最後の一日となりました。今年も残すところあと3ヵ月です。一日単位では十分に時間があるように感じていましたが、月単位で振り返ってみると瞬く間に9カ月が過ぎてしまったように感じます。2025年もこのペースであっという間に終わってしまうのでしょうか。時間はすべての人に平等に与えられているものです。一日一日、一時間一時間、一分一分、一秒一秒を大切に過ごし、先を見ず、目の前にあることに全力で取り組んでいくことを改めて決意しました。
先日、妻がある絵本を勧めてくれました。絵本のタイトルは「モモ」です。ドイツの作家ミヒャエル・エンデによって書かれた児童文学作品の絵本版です。1973年に書かれた「モモ」は本国ドイツでは児童文学賞を受賞し、世界各国で翻訳されています。日本でも根強い人気があり、私も子どものころに何度となく読んだ記憶のある本です。その「モモ」が昨年、絵本として出版されたのです。
「モモ」は「時間」がテーマのお話です。小さな女の子であるモモが、灰色の男たちに奪われた時間を取り戻そうと奮闘するお話です。モモはとても聞き上手な少女で、モモに話を聞いてもらうと心が軽くなるといった不思議な能力を持っている少女です。絵本の中でも、モモは他の人の話をよく聞くということで多くの人や動物たちの力になります。中でも道路そうじのベッポは、モモに話を聞いてもらうことで、人生についての大きな考えを整理することができました。より詳しい内容については、実際に絵本を手に取って読んでいただければと思いますが、絵本の中でとても心に響いた一節があったので、以下に紹介したいと思います。
たとえばベッポは、こんな話をしました。
「わかるかい、モモ、目の前にとても長い道があると
するよ。これは長すぎる、絶対にそうじが終わら
ない、と人は考えてしまうんだ」
話を続ける前に、ベッポはだまってしばらく前を見つ
めました。それから、言いました。
「終わらないと思って、仕事を急ぎ始める。
そして、どんどん急ぐんだ。
目を上げるたびに、自分の前にのびている道路が
少しも短くなっていないのを見る。
それで、もっともっとがんばる。
最後には息が切れてしまって、もう動けなくなる。
でも、通りはあいかわらず目の前にのびている。
そんな働き方をしちゃ、いけないんだよ」
ベッポはひとときのあいだ考えこみ、
それから、また話をつづけました。
「一度にその道路のことを考えちゃいけないんだ。
わかるかい?
ただ次の一歩、次の息、次にほうきではくこと
だけを、考える。それをくりかえすんだ。
そうすれば楽しくなってくるし、
仕事もうまくいくんだよ」
時間に追われ、ただただ慌ただしく毎日を過ごしていては、本当に大切なものを見失ってしまう。「モモ」を読んで改めてそのことに気づかされました。明日からも目の前のことに全力で取り組んでいきたいと思います。
BE SHOHEI
明日もいい日になりますように!