2025/12/13
今日は第2土曜日。
コースによって授業の有無が異なる変則的な土曜日です。
そんな土曜日でも、朝から自習室には多くの生徒が詰めかけていました。
入口の窓から中を覗いていると、一人の男子生徒がひょっこり出てきました。
普段からよく挨拶をしてくれる生徒だったので、「調子はどう?」と声を掛けてみました。
「あまりよくありません……」
浮かない表情で答えが返ってきました。
志望校を尋ねると、とても高い目標を教えてくれました。
その目標を叶えるために大変な努力が必要で、実際に彼は毎日必死になって努力をしている様子でした。
どうやら年内入試(学校推薦型選抜・総合型選抜など)で進路が決まった生徒がクラスに増えてきて、気持ちが揺れ動いていることを教えてくれました。
昨今、私立大学を中心に学校推薦型や総合型での入試の割合は劇的に増えています。
加えて、本校が多くの大学から指定校推薦をいただいていることもあり、こうした制度で進路が決定した生徒がクラスによっては多数出てきているのが現状です。
そうした環境の中で一般入試に向けた受験勉強を続けていくことは、不安との闘いでもあり、ともすると弱気になりがちな時期です。
こうした不安との闘いは辛く苦しいものかもしれませんが、間違いなく人間としての強さを磨いてくれるはずです。
受験の結果が努力に比例することを願ってはいますが、そう簡単にいかないのが大学入試です。
ただひとつだけ言えることは、この努力は「自分の人生を支える礎」になるということです。
長い人生は順風満帆にいくことばかりではありません。
順調にいくこともあれば、挫折ばかりを繰り返すこともあります。
どんなに努力をしても結果が出ないこともあります。
それでも前に向かって生きていかなければいけないのです。
そのためには、自分で自分を支えていかなければなりません。
そうです、最後の最後に自分を支えることができるのは「自分」だけなのです。
その自分を支えるための「礎」になるのが、困難に立ち向かうために重ねてきた努力の大きさなのです。
困難に立ち向かい、挫折して挫けずに立ち上がる力が「折れない心」です。
最近は「レジリエンス」という言葉を使うこともあります。
この「レジリエンス」こそが社会に出た時に、そして人生を歩んでいくときに最も必要な力だと思うのです。
今この瞬間、不安と闘いながら大きな壁に立ち向かっていることは、「レジリエンス」を身につけることに直結しているのです。
最終的な結果はとても重要なことですが、その過程で身についたレジリエンスこそが大きな意味を持ってくるのだと思います。
昨日の朝、3年生のある教室を覗いたところ、黒板にこのようなメッセージが書かれていました。

「闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう」
これは歌手の中島美幸さんが、1983年に発表した「ファイト!」という曲の一節です。
当時CMソングに使われれていたこともあり、テレビで流れているのをよく耳にしました。
「ファイト!」にはさまざまな困難に直面する人々へのエールが込められています。
このメッセージを書いた担任の先生の思いを想像することしかできませんが、きっとクラスの現状を見て、今まさに闘っている仲間へのリスペクトを行動に表し、それを仲間へのエールに変えて欲しいとの思いが込められているのだと思います。
メッセージの最後は、こんな言葉で結ばれています。
「自分のために懸命にやることは
やがて他者のため、他者の力となる」
このメッセージから私自身も「ファイト」をもらいました。
そして、担任の先生の思いがメッセージを読んだ生徒たちに伝わり、その思いが闘う仲間の力となることを信じています。
BE SHOHEI
明日もいい日になりますように!

